2021年(令和3年)の過労死等の労災件数

 厚生労働省が、2022年6月、令和3年度の過労死等の労災補償状況を公表しています。

 

 令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

 毎年、この時期に厚生労働省が過労死等の労災補償状況を公表しています。

 

 令和3年(2021年)の特徴ですが、脳・心臓疾患の労災補償件数は、若干減少傾向です。

 請求件数、認定件数も令和2年と比較して減っています。

 そのうちの死亡については57件であり、減少傾向にあります。

 認定率は、令和2年が29.2%だったのが32.8%と上昇しています。

 このうち死亡の認定率も、令和2年が31.8%であったのが33.7%に上がっています。

 なお、審査請求事案の取消決定は令和2年が6件だったところ、令和3年は15件となっています。

 過去5年間でも最も件数が多くなっています。

 

 一方精神障害については、請求件数が大幅に増えています。令和元年2060件で初めて2000件を超えました。令和2年2051件と若干増加でしたが、令和3年は2346件と300件弱も増えています。

 支給決定件数は昨年の608件から629件に若干の増加です。

 ただ、自殺案件は,令和2年の81件から79件に若干の減少です。

 なお、申請九次案は、令和2年度25件、令和3年22件と多い水準で推移しています。

 認定率は、令和2年が31.9%ですが、令和3年は32.2%と若干増加しています。

 ちなみに自殺の認定率は令和2年が45.3%、令和3年は47.3%と高い水準で推移しています。

 

 私の相談にのっているケースはなかなか認められないケースが多く、実感と少しずれている認定率ですが。

 

 コロナウイルスの影響で、一部のとても忙しい人が心配ではありますが、全体としては仕事が減り、経済的に困る人が増えるが過労死等へ減るのではないか、と予想していました。しかし、そうではないようです。

 

 コロナウイルスの影響がまだまだ続いています。

 予想の付かない業務の変化で、心労を重ねたり、長時間労働が増える可能性もあります。

 余裕のないところでパワハラが生まれることは最悪です。

今後も推移を見ていく必要があると思います。