令和元年度「過労死等の労災補償状況」

脳・心臓疾患に関する事案については次のとおり報告されています。

 

1 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
 

(1) 請求件数は936件で、前年度比59件の増となった。【P3 表1-1】
(2) 支給決定件数は216件で前年度比22件の減となり、うち死亡件数は前年度比4件増の86件であった。【P3 表1-1】

精神障害に関する事案については次の通り報告されています。

 

2 精神障害に関する事案の労災補償状況
 

(1) 請求件数は2,060件で前年度比240件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比2件増の202件であった。【P15 表2-1】
(2) 支給決定件数は509件で前年度比44件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の88件であった。【P15 表2-1】

 精神障害については、ついに年間の請求件数が2000件を超えました。前年から240件も増えています。支給決定件数も500件を超えました。

 自殺の支給決定件数も前年より増えています。

 

 残念ながら、脳・心臓疾患、精神障害とも請求する件数がふえています。そして死亡については、前年より増えています。

 過労死等が減っている状況というのは生まれていません。

 

 働き方改革、過労死防止法に基づく啓発活動等の効果が現れるよう、これからも地道に活動をしていくほかないと考えています。

 

 そして、過労死等が起きたときには労災認定と、発生させた企業の責任の追及にも子らからも力を注いでいきます。

 

 過労死がなくなるときまで。

 

 なお認定率は、脳心臓疾患は下がっていますが、精神障害については昨年より上昇しています。

 脳・心臓疾患

        平成30年      令和元年

   全体   34.5%   →   31.6%

   死亡   37.8%   →   36.1%

 

 精神障害

        平成30年      令和元年

   全体   31,8%   →   32.1%

   死亡   38.2%   →   47.6%

 

 ちなみに、愛知県では

 脳・心臓疾患

    全体 20/37   54.05%

                 死亡 8/14     57.14%

 

 精神障害

    全体 21/85  24.7%

    自殺 7/16  43.75%

 

 脳心臓疾患の認定率は高い。一方で精神障害は全国の比率よりも低い。