2017年の過労死等防止対策推進シンポジウムは、2017年11月28日開催されました。
今年は、はじめて平日開催でした。 国際センターホールは、ほぼ満席の185名の参加でした。
私は、協力団体である過労死弁護団全国連絡会議の幹事として出席しました。
冒頭、労働局の労働基準部長さんからの挨拶。 その後、名古屋過労死を考える家族の会の代表の内野博子さんの挨拶がありました。 内野さんの挨拶は、自分の夫の過労死のこと、過労死等防止対策推進法の法制定の経緯とこれから臨むことなどを訴えるものでした。
過労死等防止対策白書について厚生労働省労働基準局総務課過労死等防止対策企画官佐藤靖夫さんから解説がありました。大変分かりやすく解説していただきました。
そのあとは、山崎喜比古教授の講演。過労死等の原因となるストレスのモデルの説明を受けました。
休憩をはさんで桂福車師匠の落語「エンマの願い」。
悲しい過労死の実情や過労死等防止対策推進法の成立までいきさつを、笑いを交えて親しみやすくも分かりやすく語っていただけました。
そして、過労死遺族の話。今回は、注文住宅建設会社の現場監督だった夫を亡くした大迫恵子さんが話されました。在職中の夫を亡くした本人や家族の悲しみ、苦しみを語られました。
閉会の挨拶は今年も私がさせていただきました。今年の企画も終わりまで充実したものになりました。今回は平日ということで会社や役所の担当者等も来てくださっていたらありがたいと思いました。
企画段階では、会社関係者などから防止の取組などのお話しをしてもらえたらと検討していたのですが実現できなかったのは残念です。
このシンポジウムは、できるだけ幅広い立場の人が、一緒に過労死等防止について考えることができたらと思っています。
過労死等防止対策推進シンポジウムも、自主開催の2014年、そして厚生労働省の主催で2015年、2016年、2017年と続けてきました。
11月が過労死等防止啓発月間であるということが、定着したでしょうか。 大きな会社はもちろん中、小企業も本当の意味での働き方を改革してほしいと思います。
ところで、過労死防止対策推進シンポジウムでも中心的にお手伝いいただいた名古屋過労死を考える家族の会のメンバーの方の名古屋高裁での判決が11月30日に言い渡されました。娘さんが、会社でパワーハラスメントにあって自殺した事案です。労災認定はされていました。 1審の名古屋地方裁判所はパワーハラスメントと自殺との因果関係を否定していました。名古屋高裁は、1審を覆し、パワーハラスメントと自殺との因果関係を認め、会社に損害賠償責任を認めました。私はこの裁判は担当していませんが本当に良かったと思います。
労災認定されている自殺事案では、労災認定されるほどの強いストレスを仕事によって受けていることが明らかになっているといえます。そのようなストレスの原因を作ったり、防止しなかった会社には安全配慮義務違反が認められる可能性が高いといえます。