過労死等防止対策推進シンポジウム愛知会場 開催!

200人を超える参加!

過労死等防止対策推進シンポジウム
開始前の会場の様子

 2015年11月23日、名古屋市で過労死等防止対策推進シンポジウムの愛知会場のシンポジウムが開催されました。


 参加者は、当日210名と発表されました。(翌日の朝日新聞では150名と報道されましたが、200名は確実に超えていたと思います。)

 250名の会場は、ほぼ満席。多くの方が最後まで、お話を聞いていただけました。


 主催は厚生労働省

 後援が愛知県 名古屋市 愛知県弁護士会

 

 私も協力団体の全国過労死弁護団連絡会議のメンバーとして参加しました。

愛知労働局監督課長のあいさつ

 シンポは、愛知労働局監督課長 小川裕由さんのあいさつで始まりました。 

 小川課長は、昨日、家族の会主催のシンポジウムでもお話ししていただいた方です。

 

 過労死防止等対策推進シンポジウムは、法律に基づいて施行された。昨年は家族の会が主催で私も話をさせていただいた。100名の会場が満席だった。今日はその倍の人が集まっており、関心が広がっている。過労死の関心がさらに高まることを期待している。


 私のこともあいさつで、昨年は岩井弁護士も話をした,ととりあげていただきました。


粥川裕平医師の基調講演

過労死等防止対策推進シンポジウム 愛知会場 プログラム
当日のプログラム

 第1部は、「基調講演」「うつ病と自殺防止」精神科の粥川裕平医師の講演でした。 

 

 現代の労働では、頭脳労働がふえうつ病が増加している。自殺が増加し、減っていかないがうつ病は、自殺の大きな要因。仕事が原因のうつ病は、その重症期にも自殺が起きる。うつ病は病気であり、なまけではない。職場復帰の支援の理解を深めないといけない。真面目で几帳面な人がうつ病になる。残業を減らすことなど、過労死の原因をなくしているための課題がある。これを克服していく必要がある。

 

 粥川医師のお話はパワーポイントを用いて、身近な話題や、興味のわくお話しから、うつ病の内容や自殺の問題ついて、分かりやすく、かつ鋭く指摘する内容でした。

 

 

 

過労死遺族の体験談

 続いて過労死家族の会の遺族からの体験談の報告がありました。  


 一人目は三輪香織さん。夫を致死性不整脈で亡くした。会社の関係者は、会社に都合の良いように証言を変えた。今裁判中だが、裁判所の判断が心配。労災になって、家族は大変な苦労をしている。今の日本の働かせ方は間違っている。過労死のない社会にして欲しい。 


 こういった内容でした。当日のNHKの夕方のニュースは三輪さんの肉声を放映しました。翌日の中日新聞の朝刊社会面には訴えている三輪さんの写真が大きく載りました。 


 二人目は山田勇さん。息子を焼身自殺で亡くした。名古屋の市バスの運転手だった。息子のパソコンから、身に覚えのない事故だという上申書が見つかった。交通局の人は思い当たることがないと言ったが信用できない。いま裁判で争っている。一審では敗訴した。いじめ、パワハラをなくし欲しい。


 山田さんも中日新聞では大きく取り上げてもらいました。


パネルディスカッション 過労死防止法の目指すもの

過労死 シンポジウム
会場入口

続いてのパネルディスカッション

過労死防止法の目指すもの

 

メンバーは

 

水野幹男弁護士(過労死弁護団全国連絡会議代表世話人)

坂平末弘(連合愛知労働相談センター所長)

原田潔(豊川市企画部次長)

杉林信由紀(家族の会)

内野博子(家族の会)

鈴木明男(NPO法人あいち健康センター事務局長)

各パネラーの発言の要旨を私の主観でまとめてみました。


坂平末弘さん

 労働相談をしている。労働者と一緒に労働基準監督署に行くなどの支援をすることもある。長時間労働が過労死につながると考え電話相談も実施し、愛知で300件以上の相談があった。労働組合には、36協定をしっかりチェックすることをもっと取り組む必要があると考える。過重労働を促進するような法律には反対していきたい。

 

原田潔さん

 平成24年に、職員の自殺が公務災害だという判決が最高裁の判決により確定した。そこで、豊川市では、パワーはラスメントに対する施策を定めて実施している。ホームページでも公表している。市職員は労働者。その健康を守らないと行けない。市の職員は一方で市民に対して奉仕をしなければならない立場。双方のバランスを取ることが難しいが、どちらも充実させたい。ハラスメントは基準がなくて難しい。これで十分だとは思っていない。ハラスメントは起こる可能性がある。繰り返し継続して研修等を実施し働きかけていく必要を感じている。

 

杉林信由紀さん

 甥が過労で脳出血でたおれた。中学校の先生をしていた。学校の先生は長時間労働が常態化していることが、甥の事件を知ってからわかった。今回の裁判の結果を教育委員会にもっていって、先生の長時間労働を減らしてもらうような働きかけをしている。

 公務災害の認定は、最高裁まで長くかかった。私たちは基金に判断を誤ったのだから謝罪してもらいたいと思っているが、謝罪しない。こうした公務災害の救済のシステムも考えてもらいたい。

 

内野博子さん

 日本で最も大きな自動車会社で働いていた夫が2002年に心停止でなくなった。1歳と3歳の子どもを抱えて大変だったが、労災認定をもとめ、裁判もした。

 裁判で、QC活動の時間も時間外労働とみとめられた。その後会社ではQC活動の時間にも給料が着くようになった。夫と自分のがんばりがすこしみとめられてよかった。 

 夫は、交替勤務だった。交替勤務が健康に悪いことはわかっているのに、今日本では交替勤務が蔓延している。このような働き方も考えて欲しい。

 

鈴木明男さん

 健康センターは創立して25年。過労死の認定、裁判も支援してきた。

 法律の原則は一日8時間労働。週40時間労働。これを守っていれば過労死は起きないはず。36協定の上限がないことが問題。

 岐阜のある会社に見学に行ったことがある。そこでは、残業なし。年間の休日も多い。それで十分に利益がでている。日本でもやればできるのではないか。

閉会のあいさつ


 閉会のあいさつは私がしました。


 過労死等防止法の目的、啓発すべき内容に適ったシンポになった。

 

 今日はマスコミの取材もあり、ニュースになる。そのことで、さらに多くの方に知っていただきけいはつになればと思う。


 本日は、いろんな立場から過労死に語ってもらった。

 本日お集まりの皆さんもいろんな立場のかた。それぞれが、今日の体験を、職場、家庭、知人につあえていただき、過労死のことをもっと知ってもらい、過労死がなくなるようにつながればよい。


 そんな内容のお話しをさせていただきました。



 

 お忙しい中をお話ししていただいたかた。

 参加していただいた皆さんに、感謝です。

 

 厚生労働省にこのようなシンポジウムを開催してもらえて感謝です。

 

 12月12日は岐阜でお話をします。多くの人に来てもらえるように期待しています。